奈良公園と浄瑠璃寺 対比の妙 …C947 大和国の紅葉古刹(2/2)

東大寺参道
奈良公園マップ 参考部分「天平の抄」の昼食を頂いて、身(お腹)も心も天平人になって、次の観光は鹿のいる「奈良公園」です。

奈良公園と言えば、主だった寺社文化施設だけでも、興福寺、東大寺、春日大社、奈良国立博物館があり、とても広い面積なので散策の際は、今回は何処と何処を回ろう、くらいの気持ちがないといけない、かもです。


春日大社脇参道「奈良国立博物館」のメイン施設「なら仏像館」が、あいにく改修工事中なので、今回は王道の「東大寺」「春日大社」方面に行ってみましょう。

上のマップを参考にすると、国立博物館、氷室神社の間を通り、左に東大寺、右に春日大社表参道になる大きな交差点に、写真の「春日大社」の看板と石碑があります。

この細い道を辿れば、春日大社表参道に合流します。


春日大社南門表参道を、人の流れに従って歩いて行くと、やがて赤い「南門」に至ります。

門の左右は、同じく赤い回廊になっていて、この中に世界遺産の「春日大社」の「本殿(参拝料500円)」、「宝物殿(別途入館料400円)」があります。

※春日大社については、左上「検索欄」に『春日大社』と記入して、カテゴリーB587をご参照ください。


 東大寺南大門春日大社の後は、賑やかな「東大寺」に行ってみましょう。

一番最初の写真の石橋を渡ると、この「南大門」があり、その先に「大仏殿(入堂料500円)」があります。

※春日大社も「南門」、東大寺も「南大門」。天平時代の正式な門(正門)は南門で、その後「仁王門」、鎌倉時代に「三門」、禅宗では「山門」と名称が変わっていきます。


浮雲園地東大寺参道の脇にある「浮雲園地」は、広々として、しばし観光客の人ごみに疲れた貴方を癒すでしょう。

写真奥の方に見え薄茶色の山が「若草山」、向かって右の濃い色の山は、春日大社の奥の「御蓋山」、間の池のように見えるのは「奈良県新公会堂」の大屋根です。


浮雲園地横の春日大社への道その「浮雲園地」の横を通っている道を辿ると、表参道の先の二の鳥居に出られます。


 浄瑠璃寺参道入り口の土産物屋さて、奈良公園を離れたバスは、京都府の最南端、奈良県との県境近くの木津川市加茂町にある「浄瑠璃寺」に到着します。

先ほどまでの賑やかさとは打って変わった、静かな鄙びた駐車場から参道に向かう道の入口に、こんな素朴な感じの土産物屋さんが何軒かありますが、なかなか味のある物(?)が並んでいるので、お時間がある方はお帰りにどうぞ。


浄瑠璃寺参道ほっそりと静かに延びる参道は、知らず心が静かに落ち着く道です。

途中、小さな小屋に無人の自家製漬物(大体100円で、買ったら置いてあるビンに代金を入れる)を売っていて、これもなかなか美味です。(但し「ゆず大根」はとても臭う!)


山門一直線の参道のゴールが、この山門です。

秋の美しい紅葉が、訪れた私たちを迎えてくれているようです。(入場無料)


浄瑠璃寺本堂紅葉に飾られた細道を辿ると、目の前に池と国宝の本堂が見えます。

平安時代後期に建てられたこの本堂は、寄棟造、本瓦葺きの建物ですが、創建当時は桧皮葺きだったようです。

堂内は板敷きで、9体の阿弥陀如来坐像が横一列に安置されています。(拝観料300円)


本堂前の池から三重塔を見る本堂の前には、このように大きな池があり、対岸に赤い「三重塔」が見えます。(紅葉の中に紛れてわかりにくいですが…)

この庭園様式を、対岸の景色を彼岸に見立てた「浄土式庭園」と称します。


石段の上の三重塔先ほど本堂を目指して歩いてきた小路の途中から、対岸に見えていた三重塔に行く道が分かれています。

そちらを辿ると、石段の上に、目にも鮮やかな「三重塔」が!

こちらも国宝の三重塔は、1178年(治承2年)に京都の一条大宮から移建されたものだということです。


反対側より本堂を臨む三重塔を間近に見させて頂いて、そのまま先に続く道を池を回るように歩くと、今度は対岸に本堂がこのように見えます。

この池も含め、庭園は「特別名勝・史跡」に指定されています。


浄瑠璃寺本堂の9体阿弥陀像のポスター本堂の中は撮影禁止なので、拝観受付の建物に貼ってあるポスターから、9体の阿弥陀像が並んでいる様をご想像ください。

彩色の秘仏「吉祥天木像」も見逃せませんよ!

池の周りを巡る浄瑠璃寺の、建物と紅葉とのマッチングは、このように素敵なものです。
静かな観光の良さが、満喫できますよ。

心と舌が甦ります … C947 天平貴族の食卓と大和国の紅葉古刹(1/2)

秋篠寺本堂・国宝
東門「鳴くよ(794年)ウグイス平安京」の前の都、平城京の奈良時代は、唐の影響を残しつつ、日本らしさが現れ始めた時代と云います。

この優美な屋根の曲線を、当時の(と言っても創建当時のものでなく、鎌倉時代の再建ですが)人々が、どのような想いで眺めたのでしょう。

そんな、歴史を遡る不思議な体験ができる旅が、今回のハニットアゼリアツアーです。
上の写真は、国宝の秋篠寺(アキシノデラ)「本堂」で、次が駐車場に近い「東門」です。


東門からの参道の眺め東門をくぐると、目の前に続く参道を飾る紅や黄の葉が、ほどよく緑に散りばめられ、白壁や瓦の黒が映えて見えます。

この道を辿ることの楽しさが、白壁に突き当り左に誘われることで、ゆっくり膨らみます。

左にあるのは『清浄香水 味如甘露』と石柱に刻された井戸を祀る「香水閣」です。


正面は南門左に折れて「香水閣」の前を通って、そのまま歩くと正面に門が見えます。

その門が、本来の正門である「南門」です。

南門から入って来た人たちも、東門から入った私たちも皆、写真右手に折れる参道を進みます。


苔庭参道の左右は、このような苔庭になっていて、大和の苔寺と呼ばれるにふさわしい優しい雰囲気を醸し出しています。

こうして、緑の木々の間に垣間見える紅葉の赤が、静かな景色に鮮やかな印象を与えています。


大元堂と本堂さらに歩を進めた後、受付を済ませると目の前がこのように開けます。(※写真左側から入り、左に「大元堂」、右に「本堂」)

秋篠寺は光仁天皇の勅願寺として創建(776年)された、皇室と縁のあるお寺で、秋篠宮様の宮名の起源ということでも知られています。

拝観できる本堂の中は土間となっていて、薄暗い堂内では優美な形態で有名な「伎芸天」を始め、木彫の仏像(いずれも重文)十数体を間近に拝観できます。


奈良パークホテル全景秋篠寺で、静かな時(礼宮様が秋篠宮を賜った平成2年と、ご長男の悠仁(ヒサヒト)様の誕生された年は、大変な賑わいだったそうですが…)を過ごした後、バスは近くにある昼食会場の「奈良パークホテル」に移動します。

こちらで頂く昼食は「天平の抄」と名付けられた、独創的なもので、今回のツアーのもうひとつの目玉になっています。


昼食会場ホテルに到着すると、係員の案内で昼食会場へ。

そこで私たちを待っているのが、このホテルが平城京発掘調査で出土した木簡(モッカン=文字の書かれた木の板)や文献を基に、専門家の協力を得て当時の料理を再現した「天平の抄」の食卓です。

天平時代の官女の衣服の女性スタッフの説明を聞きながらの、時間旅行の始まりです。


天平の抄フルセットさあ、こちらが期待の「天平の抄」の全容です。(これ以外に、最後にデザ-トとして「白玉ぜんざい」が出ます)

もちろん、一度にこうして出ているのではなく、ちゃんとタイミングよく出てきますので、ご安心を。


食卓の左側の料理それでは、天平時代の大宮人(=宮廷人)の食卓の、個々の料理の解説を官女の姿のスタッフに代わってご案内を。

左側の4品は、左上から「播州百日鶏のたたき」、「南瓜と小豆の炊き合わせ 従妹煮」、そして右上の、一見大根と人参に見える「魚の干物~楚割(スワヤリ)白が鮫、赤が鮭、半月形はレモン」、その下はシャキシャキ玉ねぎと油揚げの白みそ汁です。

「従妹煮」は、交互に炊いてから合わせた小豆の微かな甘みと、それより甘い南瓜の味が
重なった自然な甘みが、心地よいものです。

拍子木型の鮫の身は、鱈の干物に似た歯ごたえと味、鮭はお馴染みの食味です。


右半分右側の7品は、左上から「牛乳を煮詰めて作った 蘇(ソ)」、その横は「古代の菓子 唐菓子(カラカシ)」、「黒米のにゅうめん」、

下に移って「先付 胡麻豆腐」、小皿の「古代の漬物 須々保利漬け(スズホリヅケ)」、その下「黒米の粥」、その隣長方形の皿「柿の葉寿司・黒米稲荷、赤米の目張り寿司」です。


蘇と古代お菓子特に興味深いものをピックアップしてみましょう。

まずは、古代の栄養食「蘇」。味は淡白なチーズといったところです。
この二切れで、牛乳一本分と云います。さらに熟成・加工してできるのが醍醐味の「醍醐」です。

古代のお菓子「唐菓子」は、餃子に似た形の「ぶと」、ねじった形の「まがり」、黒いのが「むぎなわ」です。
「ぶと」は、もちっとした歯応えで中に餡、「まがり」「むぎなわ」はチュロスに似て、当時は無かった砂糖を使っていない、穏やかな味のお菓子です。


黒米粥もうひとつ、汁粉かぜんざいに見える「黒米粥」。

ご覧の通り、黒米だけのお粥ですが、生姜と蜂蜜が入った滋養食で、微かな甘みが上品なお粥です。

目に良いと言われるアントシアニンが豊富ということです。

全体に塩分控えめ、砂糖を使っていない健康食ですから、高血圧や糖尿病を心配されている方には最適、歴史好きな方にも興味深く、かつ美味しい昼餉です。


宝来温泉大浴場ところで、奈良パークホテルさんには、天然温泉「宝来温泉」があります。

昼食時間とバスの出発時刻を調節できる自信のある方は、ハニットアゼリアツアーのお客様なら入浴OK、とのこと。

一応、タオルを持っていかれた方が良い、かもです。


土産物売場そこまでの自信のない方は、出発時刻までゆっくりお買いものでもどうぞ。

館内には、いろいろお土産物が揃っていますよ。

次回は、紅葉の奈良公園散策と、浄土式庭園の「浄瑠璃寺」をご案内します。