彗星蘭、貧乏神、山下清~見るもの多! …A806 蓼科温泉の旅(4)
「蓼科グランドホテル 滝の湯」を出たバスは、諏訪郡富士見町にある「ニチレイフラワー オーキッドガーデン」を最初の立ち寄り先にします。
これまで一部の蘭愛好家と業者にしか知られていない、ニチレイの子会社が運営する日本最大級の「彗星ラン」と「胡蝶ラン」の生産基地が、2012年9月から観光客に公開されたものです。
ご覧の通りの山間に設置された温室は、1500坪の建屋が2棟あり、暖かい環境(冬でも22℃)を好む胡蝶ランを南棟に、逆に涼しい環境(夏の夜でも20℃)を好む彗星ランが北棟で栽培されています。
こちらが、ニチレイフラワーのみが生育している「彗星ラン」です。
星形の花弁が名の由来であり、それまでの彗星ランが南方のラン特有のまだら模様入りだったものを、鮮やかな赤色に発色させ得たことで、一躍ランのヒット商品になったものです。
その名も「ニチレイサンライズ レッドラグ」と命名されています。
2棟の広い温室を見学していると、園芸愛好家ならば、その規模と、高価なランの様々な年数の苗(普通サイズの花で3~4年、大きな花は5~6年かかる)や花が、どれだけの手間と設備に支えられているのか、考えただけで気が遠くなるでしょう。
取材に伺った11月下旬で、胡蝶ランのメリクロン苗(ビン詰めの苗)が、毎週1万株入荷してくるのだとか、これもまた気が遠くなりそうな話です。
ともあれ、私たち観光客には、最後にお土産で頂けるランや、格安で買えるランの鉢がなによりなんですけどネ。
次にバスが立ち寄るのは、ランの花とは全くかけ離れた信州の味噌蔵です。
昔ながらの天然醸造の味噌を作っている「丸井伊藤商店」は、館内に「貧乏神神社」をお祀りしている一風変わった味噌屋さんです。
店内に入ると、信州味噌(白、赤、甘口、かわり味噌、なめ味噌、等々)や各種高原野菜の味噌漬け(=高原漬け)などが一杯並ぶ土産物スペースです。
お買い物は後にして、まずは自慢の天然醸造の味噌工場の見学と、お味噌汁の試食が待っています。
その工場見学の一番奥に、鎮座ましますのが「貧乏神神社」です。
(※工場内が暗かったからか、貧乏神様のせいか、写真のピンがぼけてしまってスミマセン)
さすが貧乏神様はお参りの仕方が変わっていて、①まず豆代100円を壺に入れ、②ご神木を貧棒で3回叩き、3回蹴り、③最後に豆をご神体に向かって「ちくしょうめ」とか声を出しながら投げつけるように、とあります。
ほかにも貧乏神に気に入られないよう、様々なご注意(作法)があるので気を付けましょうね。
この場所と、この味噌蔵から道路を隔てて「おかめ神社」があるので、お口直しのお参りを。
貧乏神に別れを告げて、次に訪れるのは「山下清放浪美術館」です。
代表作「諏訪湖の花火」の縁もあり、清の好きだった諏訪湖に近いこの地に、放浪中にお世話になった人々へのお礼に残した作品を基に放浪美術館が開設されたのは、平成2年12月でした。
館内はご覧の通り、木の温もりが感じられる造りになっていて、貼り絵を主体にフェルトペンの点描画やスケッチが展示されています。
しばらく廊下を歩くと、なにか懐かしいものが。
初代裸の大将、小林桂樹さんやテレビで人気者になった芦屋雁之助さんが背負っていたリュックサック(?)が…。
館内には140点余の作品が展示されています。
館内を巡って、最後にあるのが山下清の作品の絵葉書や作品集の売店と、昭和の香り懐かしいあれやこれやの骨董品展示室です。
とにかく、なにがなにやらわからないものまで、一杯並べてあるので面白気分でご覧になるとよいでしょう。
この山下清放浪美術館を出ると、「信州野沢菜センター諏訪店」で昼食、その後、中央高速に入って飯田インターで一旦高速を下り、りんごジュースとりんごジャム試食を楽しむという、最後の最後まで見どころ寄りどころ満載のツアーとなっています。
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「A806 蓼科温泉 蓼科グランドホテル滝の湯」